国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)は、その最新の『World Energy Outlook』レポートにおいて、太陽光発電が発電における強力な原動力になることを予測しています。

太陽光発電設備は、再形成されたエネルギー市場の主要な推進力になると見込まれています。Opening Doorsは、この変化が起こっている理由とその影響の行方に注目しています。

今後20年以上にわたって、世界のエネルギー情勢は長期にわたる大きな変化に直面することになります。石炭、石油、ガスなどの従来の炭化水素燃料への依存は、2040年までに減少する見込みです。炭化水素燃料は、2017年の世界の発電量の30%を占めていました(ギガワット単位)。2040年までには、その比率はわずか8%になる可能性があるとIEAは考えています[1]

同時に、再生可能エネルギーの市場シェアは拡大を続けることになります。水力と風力も成長の大きな推進力になることが予想されていますが、太陽光発電(PV)が強力な原動力となり、2040年までには、世界の発電量の29%を占める可能性があります(ギガワット単位)[2]

IEAの『2018 World Energy Outlook』によると、「太陽光発電は、競争の激化により設備容量が押し上げられ、2025年までに風力発電、2030年頃に水力発電、そして2040年までに石炭火力発電を超えることになります。この大部分はユーティリティスケールであるものの、一般家庭や企業による分散型太陽光発電への投資も強力な補助的役割を果たしています[3]。」

なぜこのようなことが起こっているのか?IEAは、現在のエネルギーシステムの3つの重要な柱における歪みの兆候を指摘しています。

  • 値ごろ感-石油価格は上昇しており、「努力を重ねて導入された化石燃料消費の補助金制度は、一部の国で危機に瀕しています」
  • 信頼性-世界人口の8分の1に電気が届いておらず、石油とガスの供給にもリスクが残ったままです
  • 持続可能性-人為的な気候変動による明らかな影響と予兆に関し、世界の科学産業の調査結果があるにも関わらず、二酸化炭素の排出量は上昇し続けています[4]

蓄電池の進歩は展望を開き、今後20年間の技術の開発で太陽光発電の効率と効率を向上させ、太陽エネルギーの位置を強化する

初期資本コストは、ドイツ(1,090米ドル/kW)、インド(1,125米ドル/kW)、中国(1,130米ドル/kW)と世界的に最低レベルあり、IEAは「新しい太陽光発電はほぼあらゆる場所で新しい石炭を凌駕する[5]」と考えています。

国際労働機関によると、この民主化とグリーンエネルギーへの移行に向けた動きの進展によって、結果的に1,800万もの新規雇用の創出につながることが示されています[6]。さらに、業界の専門家は、太陽光発電設備への大規模な切り替えから生じるメリットは、とりわけ中東全域において感じられると予測しています。

Middle East Solar Industry Association事務総長のWim Alen氏は次のように述べています。「太陽光の採用は、地域のカーボンフットプリントを大きく削減するとともに、将来的な使用や他用途への使用に向けた天然ガスの節約にもつながります[7]。」

Abdul Latif Jameel Energyは、完全子会社のFotowatio Renewable Ventures(FRV)を通じて、チリからオーストラリアにわたる世界全体の地域社会によりクリーンで環境に優しい未来をもたらすために、指導的役割を果たしています。

FRVの最高経営責任者であるDaniel Sagi-Vela氏は次のように述べています。「世界がかつて経験したことのない大きな問題の1つに直面している中、世界のエネルギー情勢に対する新たなビジョンを推進し、私たちがプロジェクトを発展させている国々の現地の労働力に、世界クラスの技術、知識、ベストプラクティスを転移し、この闘いの中核にいることを誇りに思います。Abdul Latif Jameelには生活基盤を発展させた輝かしい歴史があり、FRVはこの伝統を継続するために全力を尽くしていきます。」

[1] IEA World Energy Outlook: Solar PV capacity to overtake all but gas by 2040, PV Magazine, 13 November 2018

[2] IEA World Energy Outlook: Solar PV capacity to overtake all but gas by 2040, PV Magazine, 13 November 2018

[3] World Energy Outlook 2018 Executive Summary, International Energy Agency, 13 November 2018

[4] World Energy Outlook 2018 Executive Summary, International Energy Agency, 13 November 2018

[5] World Energy Outlook 2018 Executive Summary, International Energy Agency, 13 November 2018

[6] World Employment Social Outlook 2018, International Labour Organization, May 2018

[7] Solar Outlook Report 2018, Middle East Solar Industry Association, March 2018